引用:https://marvel.disney.co.jp/movie/blackpanther.html
2019年のアカデミー賞で3部門を受賞した映画『ブラックパンサー』。
世界中で大ヒットし社会現象になりましたが、みなさんはもう観ましたか?え、まだ観てない??ですよね~…。
何を隠そう、ブラックパンサーは日本国内で『ドラえもん』に負ける興行収入。日本では大ヒットとまではいきませんでした……。
でも実は、世界では社会現象になるほどブラックパンサーは大人気!例えば…
- アカデミー賞6部門ノミネート、3部門受賞!アメコミ映画として史上初の快挙
- 北米での興行収入は歴代3位!タイタニックを抜いた!
- 世界の興行収入歴代9位!ハリーポッターを上回る記録
このように、興行収入は大成功し、映画の出来も高く評価されている作品なんです。
ブラックパンサーは本当に素晴らしい映画なのでとにかくいろんな人に見てほしい!!アメコミやマーベルの知識ゼロでも楽しめる、最高のエンタメ作品なんですよ~~!!
とはいえ、アメコミ映画は良く分からないし敷居が高いと感じている人も多いのでは?
そこでこの記事では、「ブラックパンサーってどんなヒーローなのか?」「どうして世界中で人気なのか?」を語ります!
これさえ知っておけば、アメコミへの抵抗感なく映画を楽しめるはず!
ブラックパンサー あらすじ
アフリカの奥地にひっそり存在する国、「ワカンダ」。
一見すると貧しい農業国にみえるが、実は世界中のどの国よりもテクノロジーが発展した超文明国家。
そこには世界を変えてしまうほどのパワーを持つ希少鉱物「ヴィヴラニウム」が存在し、それを守ることがワカンダ国王が代々引き継いできた使命だった。
新たに国王となった「ティ・チャラ(ブラックパンサー)」は、悪の手からヴィヴラニウムを守り、ワカンダを、そして世界を守ることができるのか?!
※この記事は物語の結末にかかわるネタバレはしていませんのでご安心を!
ブラックパンサーってどんな映画?
引用:https://marvel.disney.co.jp/movie/blackpanther/gallery.html
一言でいうと「今の時代に生きるヒーロー映画」。昔話でも未来の話でもなく、”まさに今”を生きて戦うヒーローの物語です。
だから当然、『ブラックパンサー』を通して語られるメッセージは今の私たちに響くもの。歴史に残るであろう映画をリアルタイムで体験できることに感謝したくなります!
そんなブラックパンサーは、果たしてどんな映画なのかを次の5つの切り口で紹介していきますね。
- 最新テクノロジーを駆使して戦う!
- 国王であり、ヒーローでもある複雑な立場
- 悪役なのに人気の高い「キルモンガー」
- マーベル史上初の黒人ヒーロー!政治的なメッセージが強い
- 『アベンジャーズ』シリーズを観るとより楽しい
最新テクノロジーを駆使して戦う!
ヒーロー映画の目玉といえば、アクションシーン。ブラックパンサーの武器は、意外にも「最新テクノロジー」。
ヒーローというと「スーパーマン」みたいにこぶしで勝負!ってイメージがありませんか?空を飛べるアドバンテージはあるものの、結局はめちゃくちゃなパワーでねじ伏せてる感じですよね。
でも今どきの最新ヒーローは、科学技術をごりごり活用して戦うんです。
このいままでありそうでなかったヒーロー像が斬新!
「ヒーローってどうせこんな感じでしょ~」っていう予想を裏切ってくるところが面白いんです。
ワカンダの兵器開発担当は、天才科学者でブラックパンサーの妹「シュリ」。宇宙から降ってきた希少鉱物「ヴィヴラニウム」を活用してスーツや武器を発明します。
本作のカギとなる「ヴィヴラニウム」は地球上でもっとも固い鉱物。だからブラックパンサーのスーツはどんな攻撃もはねのけます。
それだけではなく、ダメージを蓄積して攻撃に転嫁できるチート級の素材なんです。
映画の冒頭で敵とカーチェイスを繰り広げるシーンでは、銃弾がまるでBB弾のように見えてしまうほど、ブラックパンサーのスーツは強力!
さらに、ブラックパンサーの側近でハイパー強い女性戦士の「オコエ」は、敵からの銃撃に対して
「銃?原始的ね」
と吐き捨てた後、ヴィヴラニウムでできた槍一本で、敵の車を大破させるという荒業を難なくこなします。
ワカンダの科学力とブラックパンサー達の能力がわかるこのシーンは最高にしびれるんですよ~!
↓ちなみに、ディズニー・スタジオ公式がYouTubeにアップしているプレビュー映像でその一部を視聴できます!オコエ様がとにかくかっこいい~~~!!!
国王であり、ヒーローでもある複雑な立場
一般的に、「ヒーローはみんなのために戦う正義の味方」というイメージがありませんか?
例えば、スパイダーマンだったらニューヨークで悪さしている悪党を懲らしめておけばそれでOK。それが彼の正義だし、ニューヨーク市民からも感謝されてウィンウィンの関係ですよね。
でもブラックパンサーはヒーローである前に国王。
なによりも自国を守ることを優先しないといけない立場なんですね。ここが他のヒーローと全く違うポイント!
でも「ワカンダを守る=誰にとっても正義」とはならず、ワカンダの平和を優先させることで不利益を被る人も出てきてしまうわけです。
だってワカンダ以外の国では戦争もある、虐げられている人もいる、飢えに苦しむ貧しい人たちもいる。それでもワカンダさえ平和ならOKなのでしょうか?
前国王だった父親が急死し、思わぬタイミングで王様になった主人公はまだまだ自分のビジョンを持っていません。そのうえワカンダ国内にも当然、色々な意見の人がいて仲間割れだって起こります。
こんな複雑な立場のヒーロー、ほかにいます??
国王としての使命を果たすべきか、地球全体を見据えたヒーローになるべきか……。ブラックパンサーの葛藤が見どころです。
悪役なのに人気の高い「キルモンガー」
引用:https://marvel.disney.co.jp/movie/blackpanther/character/erik-killmonger.html
新米国王ブラックパンサーに立ちはだかる敵の名前は「キルモンガー」。彼はワカンダが独占しているヴィヴラニウムのパワーを手に入れ、世界を支配しようとたくらみます。
本作のヴィランであるキルモンガーは、ブラックパンサーとはあらゆる面で対象的。
- 元アメリカの秘密工作員でとにかく戦闘に強い
- 過去の出来事がきっかけでワカンダ国王を憎んでいる
- とある信念のもと、ヴィヴラニウムを手に入れようとする
ヒーロー映画の悪役といえば、世界征服することしか頭にない自己中な悪党が多い気がしますが、キルモンガーは一味ちがいます。
やってることは悪いことなんですが、「どうしてヴィヴラニウムの力を手に入れたいのか」と「世界をどう変えたいのか」が明確で自分の信念をしっかり持っているので、映画を見てると思わず応援してしまいたくなる魅力があるんですね。
「あれ、ひょっとして敵の方が正しいこと言ってない…?ブラックパンサーそれでいいの…?正義とは…??」と、ブラックパンサーが絶対的な正義ではないところも新しいヒーロー像だな~と感じました。
キルモンガーは悪役ながらも人気が高いのですが、映画を観るとその理由がわかるはず!
マーベル史上初の黒人ヒーロー!政治的なメッセージが強い
引用:https://marvel.disney.co.jp/movie/blackpanther/character/blackpanther.html
『ブラックパンサー』はアクション映画としてのクオリティが高いことはもちろんですが、他のヒーロー映画と異なる最大のポイントは、今の時代を反映した強いメッセージを持っていることだと思います。
政治にめちゃめちゃ疎い私でも感じたのが、「この映画、めちゃくちゃアメリカを批判してない?」ということ。
政治知識ゼロの私のアメリカのイメージは「アメリカさえよければそれでOK!俺たちNo1!!」って感じ。それがなんだかワカンダのイメージと重なるんですよね。
さらに、白人至上主義のトランプ大統領への皮肉が効いてます。
トランプ大統領の「メキシコとの国境に壁を作る」発言を覚えていますか?かなり物議をかもしましたよね。
これに対するアンチテーゼと受け取れるブラックパンサーのセリフが映画のラストに登場します。この発言が最高にクールなんです!!
アメリカの態度とどことなく重なるワカンダの国王が、困難に遭遇して最後に導き出す答え。それが今の時代を生きる私たちに必要なメッセージなのではと感動しました。
ちなみに、アメリカ史上初の黒人ファーストレディであるミシェル・オバマ元大統領夫人が映画を鑑賞し、「『ブラックパンサー』はすべてのバックグラウンドを持つ人々を鼓舞し、勇気を与えてくれる」というような内容のツイートをして話題になりました。
↓実際のツイート内容はこちら。
Congrats to the entire #blackpanther team! Because of you, young people will finally see superheroes that look like them on the big screen. I loved this movie and I know it will inspire people of all backgrounds to dig deep and find the courage to be heroes of their own stories.
— Michelle Obama (@MichelleObama) 2018年2月19日
日本で暮らす私にとっては、人種や差別問題って普段は意識しにくいものです。でも、違いを受け入れること、与えられたテクノロジーや力を正しく使うことはどういうことなのかを考えさせられました。
『ブラックパンサー』はあくまでエンタメとしての楽しさが第一にありつつ、そこに強いメッセージが込められています。説教臭くないのに、政治や人種問題について考えるきっかけになる映画です。
だからこそ多くの人に支持され、アカデミー賞の作品賞にもノミネートされたのではないでしょうか。
『アベンジャーズ』シリーズを観るとより楽しい
引用:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-iw/comment.html
映画『ブラックパンサー』は単体で観ても十分楽しめます。
でも、関連するマーベル映画を観ておくと、もっと楽しめることは確かです。
マーベル・スタジオが製作するヒーロー映画は「マーベル・シネマティック・ユニバース(通称MCU)」と呼ばれていて、すべての作品が同じ世界観を共有しています。
そのため、スパイダーマンの映画にアイアンマンが出てくるなどスーパーヒーロー同士の競演や、シリーズ全体を通した大きな物語を楽しむことができるのです。
とはいえ、「マーベル・シネマティック・ユニバース」は『ブラックパンサー』公開前の時点で17作品もあるのです。さすがにこれを全部観るのは大変……。
そこで、ブラックパンサー鑑賞前にマーベル映画を予習しておきたい人向けの作品を独断で5つピックアップしました!
映画 | 特徴 |
---|---|
『アイアンマン』(2008年) | シリーズ1作目、すべての始まり |
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011年) | アベンジャーズのリーダー的存在キャプテンアメリカ誕生秘話 |
『アベンジャーズ』(2012年) | アベンジャーズ(ヒーロー大集合映画)シリーズ1作目 |
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年) | アベンジャーズシリーズ2作目 |
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年) | ブラックパンサー初登場 |
(ちなみに、上記5つと『ブラックパンサー』を観終わったら次は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年) を観てください!ブラックパンサーやオコエ、シュリ達と彼らの故郷「ワカンダ」が登場しますよ。)
「こんなに観られないよ~~」と思うかもしれませんが、一つ見始めるとズルズルとハマってしまうこと間違いなし。
私もこれまでマーベル映画なんて全く興味がなかったのですが、『アイアンマン』をテレビで観たことがきっかけでずぶずぶと沼に沈み、18作品を一気見するまでに至りました…。
まとめ:ますます盛り上がるマーベル映画が見逃せない!
さて、これで『ブラックパンサー』がどういう映画なのかお分かりいただけましたか?
ジャパニメーションもいいですが、たまにはアメコミもいいものですよ。食わず嫌いはもったいない!
ところで、映画のアベンジャーズにはまだアジア人のヒーローがいないんです。日本人にイマイチ受けないのは、そんなところも関係しているのでは…?なんて私は思います。黒人ヒーローがいるなら、アジア人ヒーローも欲しいな~。
さて、マーベル・シネマティック・ユニバースは次々と新作の公開を控えています。2019年3月15日に『キャプテン・マーベル』、4月26日に『アベンジャーズ/エンドゲーム』が公開。今後ますます盛り上がること間違いなし!
新作にむけて、いまのうちに過去作品を予習しちゃいましょう!!!!
キャスト・吹き替え一覧
( )内は日本語吹き替え版の声優です。
エリック・キルモンガー:マイケル・B・ジョーダン(津田健次郎)
ナキア:ルピタ・ニョンゴ(皆川純子)
オコエ:ダナイ・グリラ(斎賀みつき)
シュリ:レティーシャ・ライト(百田夏菜子)
ユリシーズ・クロウ:アンディ・サーキス(広田みのる)
エヴェレット・ロス:マーティン・フリーマン(森川智之)
ウカビ:ダニエル・カルーヤ(中井和哉)
エムバク:ウィンストン・デューク(木村昴)
ラモンダ:アンジェラ・バセット(幸田直子)
ズリ:フォレスト・ウィテカー(玄田哲章)