多くのVOD(動画配信サービス)が日本でサービス開始し、海外発のサービスも上陸したことで、価格競争やサービスの品質が向上し、利用者にとっては今かなり「お得」な状況であることは間違いありません。
しかし、VODの数が増えすぎてしまい、「一つ」を選ぶことが本当に難しくなってきました。結局のところどれを選べばよいのか?何が違うのか?何を見たいか分からないがとりあえず登録したい。という様々な疑問、ニーズが生まれています。
そこでここでは、国内VOD利用率(インプレス総合研究所調べ)から、上位5社の動画配信サービスをピックアップし、それを比較しました。今回その比較対象となるのは以下5つのVOD。
VOD | 月額料金 | 利用率 | 知名度 | 会員数 |
Amazonプライムビデオ | 409円 | 41.0%(1位) | ★★★ | 非公開 |
Hulu | 933円 | 14.9%(2位) | ★★★ | 約155万人 |
dTV | 500円 | 10.2%(3位) | ★★ | 約470万人 |
Netflix | 950円 | 7.6%(4位) | ★★★ | 非公開 |
U-NEXT | 1,990円 | 4.6%(8位) | ★★ | 非公開 |
利用率5位「WOWOWオンデマンド」、6位「DAZN」、7位「DMM.com」については、加入条件や専門性などから比較対象とならないため除外しました。
少なくとも現状におけるVODの選び方としては、この5社の中で考えるとしたら大きく失敗することは無いはずです。しかし「明確に」5社それぞれ違いがあるため本記事を参考に選んでいただくと良いでしょう。
月額料金の安さだけでVODを選ぶなら
順位 | VOD | 月額料金 | 利用率 | 知名度 | 会員数 |
1 | Amazonプライムビデオ | 409円 | 41.0%(1位) | ★★★ | 非公開 |
2 | dTV | 500円 | 10.2%(3位) | ★★ | 約470万人 |
3 | Hulu | 933円 | 14.9%(2位) | ★★★ | 約155万人 |
単純な価格だけでVODを選ぶというのは、正直のところ賢い方法ではありません。というのも、VODは各テレビ局との関係性・権利の都合で配信コンテンツが全く異なるため、あるVODでは無料なのに、あるVODでは有料、というVOD間のサービス格差がたくさん見られます。
しかし、「VODの視聴頻度」について調査した結果によると、「週に1回」以下の割合が約5割にものぼるのです。これはつまり、VODへの登録したばかりの頃はよく利用していたが、ある程度のコンテンツを見終えると、視聴頻度が週1回以下に落ち着くということを示しています。
継続する前提で長期的な目で考えると単純な月額料金の「安さ」で選ぶのは間違った方法ではないかもしれません。
特にAmazonプライムビデオの月額409円は驚異的な価格です。ワンコイン以下で、かつAmazonプライムの付帯サービスも利用できるとなると、「登録しない理由がない」と言えます。
※Amazonプライムビデオは年会費4,900円。都度払いにすると月額500円。年会費の方がお得です。
※Amazonプライムの驚異的な付帯サービス
- VOD見放題(プライム・ビデオ)
- お急ぎ便・日時指定便
- 音楽聴き放題(プライム・ミュージック)
- 本、マンガ、雑誌読み放題(プライム・リーディング)
- 写真保存クラウドサービス(プライム・フォト)
洋画・海外ドラマが見たいなら
順位 | VOD | 月額料金 | 利用率 | 洋画の充実度 |
1 | Netflix | 950円 | 7.6%(4位) | ★★★ |
2 | Hulu | 933円 | 14.9%(2位) | ★★★ |
3 | Amazonプライムビデオ | 409円 | 41.0%(1位) | ★★ |
有料動画配信サービスにおける「よく視聴するジャンル(複数回答)」について調査した結果、「洋画(59.8%)」がダントツの1位で、この順位は過去5年間不動です。日本人は洋画が大好き。私もよく見ます。
また、洋画好きでなくても「VODに登録したことで洋画を見るようになった」という方がとても多いのです。そのため、VOD選びでは洋画コンテンツの多さを比較の対象とするのは賢い方法です。
その視点でVODを見てみると、Netflixのラインナップが特に光ります。Netflixは「Netflix独占」のオリジナルコンテンツが豊富に取り揃えられているため全く飽きません。
アニメ作品はオリジナル含め多く取り揃えていますが、実写の日本映画のラインナップは他社と同等かそれ以下なので、本当に「洋画好き」もしくは「アニメ好き」でないと満足できないかもしれません。またオリジナルコンテンツのSF作品の取り揃えも若干劣り(制作費が膨大なため)、ヒューマンドラマやサスペンス系が中心となります。
邦画や日本ドラマも併せて見たい、SF関連も充実させたいという場合はHuluがおすすめです。また、Huluは「Huluプレミア」という、最新の海外ドラマをお届けするサービスを行っているため、いち早く新しい海外ドラマを見たいという方にもおすすめ。日本テレビ系のVODなので、邦画や国内ドラマ、アニメも幅広く充実しています。
リンク Netflixへの登録(31日間無料)
リンク Huluへの登録(14日間無料)
ウォーキング・デッドを見るなら
「ウォーキング・デッドを見たいからVODに登録する」という方が非常に多いです。実は本サイトにも「どのVODに登録すればウォーキング・デッドは見られますか?」という質問がたくさん寄せられています。
結論から言うと、大手5社どのVODでもウォーキング・デッドは視聴可能です。しかしウォーキング・デッドは現在シーズン8まで配信されており、定額料金内で最新話まで視聴できるのはHuluとdTV。また「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」というスピンオフドラマが配信されているのはAmazonプライムビデオとHuluのみです。(2018年1月現在)
VOD | 無料期間 | 月額料金 | 配信 | FWD |
Amazonプライムビデオ | 30日間 | 409円 | シーズン1~7(8は有料) | 1~3 |
Hulu | 2週間 | 933円 | シーズン1~8 | 1~2 |
dTV | 31日間 | 500円 | シーズン1~8 | × |
Netflix | 31日間 | 950円 | シーズン1~7 | × |
U-NEXT | 31日間 | 1,990円 | シーズン1~7(8は有料) | × |
※FWD:フィアー・ザ・ウォーキング・デッド
※dTVのウォーキング・デッド シーズン8は5/24で配信終了
ウォーキング・デッドを目的にVODを選ぶ場合、総合的に見るとAmazonプライムビデオ又はHuluが最もおすすめと言えます。Amazonプライムでシーズン8を視聴する場合、一話100円~200円でレンタル購入することになります。
邦画・国内ドラマが見たいなら
順位 | VOD | 月額料金 | 利用率 | 提携局 |
1 | Hulu | 933円 | 14.9%(2位) | 日本テレビ・テレビ朝日 |
2 | Amazonプライムビデオ | 409円 | 41.0%(1位) | - |
3 | dTV | 500円 | 10.2%(3位) | TBS |
先程紹介したようにHuluは「海外ドラマ」のイメージが強いのですが、2014年から日本テレビの傘下に入ったことで国内映画・ドラマ、またバラエティの配信に力を入れるようになりました。
日本テレビ系・テレビ朝日系の映画・ドラマを中心にかつ独占的に、その他の放送局のコンテンツについてもラインナップ。幅広く楽しめ、実はファミリー向けでコストパフォーマンスが高いVODがHuluです。また部分的にではありますが、フジテレビ、テレビ東京や地方局など多くの放送局とコンテンツパートナー契約を結び、国内放送局についてはほとんど網羅しています。
ここまで放送局の垣根を超え配信できているのはHuluのみで、国内コンテンツ(ドラマ・映画・アニメ)を存分に楽しみたいという場合、最もおすすめのVODと判断できます。
Amazonプライムビデオはコンテンツこそそこまで多くはありませんが、409円分の楽しみ方はできますし、どちらかというと海外よりも邦画・国内コンテンツの方が豊富な印象です。
ファミリー向け・リビングで見るなら
VOD | 月額料金 | 利用率 | 知名度 | 会員数 |
Amazonプライムビデオ | 409円 | 41.0%(1位) | ★★★ | 非公開 |
Hulu | 933円 | 14.9%(2位) | ★★★ | 約155万人 |
U-NEXT | 1,990円 | 4.6%(8位) | ★★ | 非公開 |
動画に偏りが無く、他ジャンルで操作性が高いVODでしたら、この3社。Amazon Fire TVやChromecastなどSTBも全てカバーしリビングで視聴できます。
Amazonプライムビデオはコンテンツが日本向けで、バラエティやアニメ、ドラマなどファミリー対象の動画が豊富。吉本興業と事実上の業務提携を行っているため、松本人志「ドキュメンタル」、今田耕司・東野幸治の「カリギュラ」、「M-1グランプリ」、「よしもとお笑いセレクト」など、独占配信のバラエティ・お笑いコンテンツが非常に充実しています。家族で楽しみたい・笑いたいという方にはピッタリのVODと言えるでしょう。特に「ドキュメンタル」についてはシーズン4まで配信中(シーズン0を含めると5作品)。限定配信作品でここまで継続するのはまさに異例。実際に私も全作品視聴していますが、この作品のためだけに登録しても良いと思えるほど面白い作品です。
Huluはテレビで放送したばかりの日本テレビ系ドラマをTVerのように見逃し配信しているため、録画の必要がなく家族全員で楽しめます。また画質も良い。
U-NEXTは月額料金こそ高いものの、唯一「アダルト」ジャンルも見放題となる珍しいVOD。もちろんセキュリティロックをかけることもできるので家族・お子さんにもばれません。毎月貯まるU-NEXTポイントを映画館で使用することもでき、ファミリーには嬉しいサービスがたくさんあります。
VOD比較まとめ
以上のように、やはり「これがおすすめ!」「とりあえずこのVOD」という言い方はどうしてもできません。
全てのVODに特徴があり、動画・コンテンツというのは権利が絡むため、各社でラインナップや得意ジャンルも異なります。しかしだからこそ面白いし、この5社の中からならどのVODを選んでも大きく失敗することはありません。
またこの5社全てが「無料体験」として2週間~31日間のトライアルを用意しているため、とりあえず体験し、自分の目で確かめるのが一番であると思います。申し込んでしまったら最後というわけではありません。
VOD | 月額料金 | 利用率 | 無料期間 |
Amazonプライムビデオ | 409円 | 41.0%(1位) | 30日間 |
Hulu | 933円 | 14.9%(2位) | 14日間 |
dTV | 500円 | 10.2%(3位) | 31日間 |
Netflix | 950円 | 7.6%(4位) | 31日間 |
U-NEXT | 1,990円 | 4.6%(8位) | 31日間 |
参考 動画配信ビジネス調査報告書2017/インプレス総合研究所