AmazonプライムビデオとFODプレミアムについて、データやサービスの質、実態などの比較を行いました。
インプレス総合研究所の調査によると、2017年度のVOD国内利用率は、Amazonプライムビデオが41.0%(1位)、FODプレミアムが0.6%(23位)。
誰の目から見ても明らかですが、利用率・認知度・価格面からもAmazonプライムビデオが圧倒的です。実際のサービス内容としても、Amazonプライムビデオのコストパフォーマンスは極めて高いものとなっています。
FODプレミアムも「雑誌読み放題」など付加価値の高いサービスを付帯していましたが、2017年10月より、Amazonもプライム会員を対象とした「Prime Reading」を開始したため、その優位性も薄れてしまいました。
ただ実際に利用していると両者ともに良いポイントが見受けられます。ここではより「実態」に近いところを比較していこうと思います。なお2社の個別の詳細は下記で紹介しています。
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・Amazonプライムビデオのサービス詳細まとめ
・FODプレミアムのサービス詳細まとめ
Amazonプライムビデオ × FODプレミアム
Amazonプライムビデオ | FODプレミアム | |
登録URL | http://www.amazon.co.jp/ | http://fod.fujitv.co.jp/s/ |
運営会社 | Amazon.com | 株式会社フジテレビジョン |
サービス開始 | 2015年9月24日 | 2005年7月 |
提携局 | - | フジテレビ |
配信本数 | 26,598本 ※2017年5月時点 |
約3.6万本 |
カテゴリー | ・海外映画 ・国内映画 ・国内ドラマ ・アニメ ・キッズ、ファミリー ・ミュージック ・ドキュメンタリー ・お笑い、バラエティ ・ステージ ・ホビー、実用 ・スポーツ、フィットネス ・アイドル ・エロス |
・ドラマ ・バラエティ ・アニメ ・キッズ ・映画 ・スポーツ/エンタメ ・アナウンサー ・FODオリジナル ・FODマガジン |
会員数 | プライム会員の数は非公開 ※概算では500万人規模と推測 |
全体:350万人 有料会員:80万人 ※2016年12月現在 |
対応デバイス | ・PC(Windows、Mac) ・スマートフォン、タブレット(iOS、Android) |
|
・テレビ ・STB ・ゲーム機 |
※テレビ端末非対応 | |
画質 | SD/HD/4K | SD/ハーフHD(720p) |
データ通信量 | 0.14~0.46GB/1時間 | 0.15~0.40GB/1時間 |
VR | 非対応 | 対応 |
サービス価格 | 年額4,900円(税込) 月額500円(税込) ※年額、月額どちらかセレクト。 年額だと1,100円お得。 |
FOD見逃し(旧プラスセブン):無料 FODプレミアム:976円(税込) |
無料トライアル | 30日間のプライム無料体験 | 1ヶ月間 |
マルチアカウント | 非対応 | なし(5台まで登録・同時視聴可能) |
ダウンロード | 一部可 | 不可 |
課金手段 | ・クレジットカード ・Amazonギフト券 |
・クレジットカード ・携帯キャリア決済 ・楽天 ・Yahoo!ウォレット 他 ※一部例外あり |
サポート | 年中無休 |
参考 動画配信ビジネス調査報告書2017/インプレス総合研究所
AmazonプライムビデオとFODプレミアムの共通点を比較:雑誌読み放題サービス
AmazonプライムビデオとFODプレミアムは、VOD見放題に加えて「雑誌読み放題」も付帯します。特にAmazonプライムについては小説やビジネス書、漫画など、「本」全般が一部読み放題になるため、かなりサービスとして優れています。
具体的なタイトル数は公表されていませんが、公式の発表では「数百冊」とのこと。なお、さらに多くの雑誌などが読み放題になる「Kindle Unlimited」とは異なるサービスですので注意して下さい。
参考 Prime ReadingとKindle Unlimitedの違い
対してFODプレミアムの場合、「雑誌」に限定した読み放題となっており、その数は約100冊ほど。これでもかなり多いのですが、雑誌の数だけで見てもprime readingも約100冊以上最新のものをラインナップしているため、ここでもAmazonプライムに軍配が上がります。
単純により多くの書籍を、より安く見たいという場合は、間違いなくAmazonプライムに登録すべきでしょう。
VOD | 月額料金 | VOD以外の付帯サービス |
Amazon | [月額-Amazonプライム年会費を月額換算(500円)] | ・Prime Reading 書籍読み放題(数百冊) ・お急ぎ便、時間指定便無料 ・Prime Music 音楽聞き放題 ・Prime Photo 無制限の写真ストレージ ・Amazon Drive 5GBの無料ストレージ |
FOD | 976円 | ・雑誌読み放題(約100冊) |
AmazonプライムビデオとFODプレミアムの相違点を比較
ここからはAmazonプライムビデオとFODプレミアムの相違点を比較し、価格の妥当性を紐解いていきます。
AmazonプライムビデオにあってFODプレミアムに無いもの
Amazonプライムビデオの強みは、何と言ってもその「資本力」。
ここまでの紹介でも分かる通り、月額[月額-Amazonプライム年会費を月額換算(500円(税込))](年額4,900円)でVODから音楽、書籍まで、あらゆるものが見放題になるサービスはまさに破格です。
これもすべてAmazonの「EC事業(通販)」という本業を支えるためのものだからできること。Amazonというプラットフォームを築き、Amazonを中心に生活ができるような仕組みを構築するための狙いなのでしょう。
従って、この価格はある種「投資」に近い設定でもあるのです。この価格の安さには、例え日本が誇る「フジテレビ」であっても太刀打ちはできません。
確かに動画のラインナップや、真新しさという面では、Amazonプライムビデオは劣りますが、例えば松本人志さんの「ドキュメンタル」など、オリジナルコンテンツの制作にも力を入れているため、より安く・手軽に・面白いVODを探している方にはおすすめになります。
FODプレミアムにあってAmazonプライムビデオに無いもの
逆にFODプレミアムの特典といえば、何を隠そう「フジテレビ作品」が見られること。
「最新の」ドラマや映画の発信源がFODプレミアムですから、権利関係の第一関門についてはすでにクリアした状態。例えば2017年大ヒットした「コード・ブルー」について、ドラマを最初から見ることができるのはFODプレミアムだけです。
特にAmazonプライムビデオは、独自の制作局は持っていますが、放送局との関係性が薄いため、配信されている動画・コンテンツが他社とかぶりやすい性質があります。
FODプレミアムの場合は、フジテレビ作品に限定されているものの、その動画がどこにも出ていない新しいものであるため、トレンド性ではAmazonプライムビデオを上回ります。
そして「FODオリジナル」など、Amazonプライムビデオで言うところの「ドキュメンタル」や「カリギュラ」など、そのVOD内でしか見られない動画・コンテンツも充実。
FODは特にオリジナルコンテンツに力を入れており、「2017年度中に500時間分の動画を作成する」と発表。その成果として「ラブホの上野さん」は大ヒットを記録し、話題となりました。
AmazonプライムビデオとFODプレミアムの比較まとめ
私は両方のVODに登録していますが、利用頻度で言うと
【Amazonプライムビデオ8:FODプレミアム2】くらいです。
利用用途としては、
Amazon:通常のVOD視聴、オリジナルコンテンツ視聴、Prime Reading
FOD:フジテレビ系の見逃し配信、FODオリジナル
以上のようなイメージ。Prime Readingが始まってからはFODプレミアムの雑誌読み放題もあまり使用しなくなってしまい、またFODプレミアムは「テレビで見られない」という致命的なデメリットがあるため、家族向けのVODではありません。
また価格面・サービス面からもAmazonプライムビデオのコストパフォーマンスは驚異的。FODプレミアムを利用するのは、FODプレミアム内でしか見られないコンテンツを視聴するときだけです。ですからFODプレミアムのコンテンツが他社VODでも見られるようになってしまえば、解約する可能性も十分にあります。
しかしAmazonプライムビデオのコンテンツが他社でも見られるようになっても、「Amazonプライム会員を退会しよう」とは思いません。それはやはりVOD以外の付帯サービスが充実しており、何より「安い」から。両者の決め手において、決定打となるのはそこではないでしょうか。
結論としては、両者ともVODとして優れている・劣っている点はあるにしろ、Amazonプライムビデオは2歩・3歩ほどFODプレミアムの先を進んでいる印象を受けました。