インプレス総合研究所の2017年度調査によると国内利用率は、Amazonプライムビデオが41.0%(1位)、U-NEXTが4.6%(8位)。国内利用率第1位のVODと、それに差を付けられているいわゆるマイナーVODとの比較です。数値で見るとAmazonプライムビデオの利用率が驚異的ですが、なぜここまで開きがあるのでしょうか。
結論から言うと、Amazonプライムビデオの驚異的な月額料金の安さと特典サービスの充実が魅力的だからでしょう。しかし、U-NEXTも通常の動画に加えてアダルトコンテンツを定額内で視聴できたり、都度課金で最新映画が見られたりと、他社VODにはない魅力があります。
一概にどちらが優れているとはいえないため、ここではより本質・実態にフォーカスした比較を行っていきます。
Amazon | U-NEXT | |
評価ポイント | ・格安(月額409円) ・国内利用率第一位 ・オリジナルコンテンツ多 |
・動画数日本一(12万本) ・アダルトも無料 ・最新映画が最速配信 |
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Amazonプライムビデオ × U-NEXT
Amazon | U-NEXT | |
登録URL | http://www.amazon.co.jp/ | http://video.unext.jp/ |
運営会社 | Amazon.com | 株式会社U-NEXT |
サービス開始 | 2015年9月24日 | 2007年6月 |
系列 | - | - |
配信本数 | 26,598本 ※2017年5月時点 |
12万本 ※動画以外のコンテンツも含む |
カテゴリー | ・海外映画 ・国内映画 ・国内ドラマ ・アニメ ・キッズ、ファミリー ・ミュージック ・ドキュメンタリー ・お笑い、バラエティ ・ステージ ・ホビー、実用 ・スポーツ、フィットネス ・アイドル ・エロス ・雑誌、コミック、書籍 |
・洋画 ・邦画 ・海外ドラマ ・韓流、アジアドラマ ・国内ドラマ ・アニメ ・キッズ ・ドキュメンタリー ・音楽、アイドル ・アダルト ・雑誌、コミック、書籍 ・カラオケ |
会員数 | プライム会員の数は非公開 ※概算では500万人超 |
非公開 |
対応デバイス | ・PC(Windows、Mac) ・スマートフォン、タブレット(iOS、Android) ・テレビ ・STB(Amazon Fire TV、Fire TV Stick 他) ・PlayStation 4 Amazonプライムのみ ・PlayStation3、Wii U 他 |
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画質 | SD/HD/フルHD/4K | SD/HD/フルHD/4K |
VR | 非対応 | |
サービス価格 税込 |
・年会費4,900円 ・月額500円 |
・月額1,990円 ・都度課金100円~1,500円 ※毎月1200円分のポイント付与 |
無料トライアル | 30日間 | 31日間 |
マルチアカウント | 非対応 ※同時視聴は3端末まで可 |
家族4人まで作成可能 |
ダウンロード | Amazonビデオで購入した動画は可 | 一部可能 |
課金手段 | ・クレジットカード ・Amazonギフト券 |
・クレジットカード ・キャリア端末決済 ・U-NEXTカード ・U-NEXTギフトコード |
サポート | 年中無休 |
参考 動画配信ビジネス調査報告書2017/インプレス総合研究所
コンテンツの網羅性・独自性を比較
両者の共通点は、放送局との資本提携を持たない独自のVODサービスであることが言えます。
例えばHuluは、海外の映画製作会社などによって共同設立されており、日本版を運営しているHJホールディングスは日本テレビの傘下にあります。日本テレビ以外の放送局も番組を提供しており、国内で放送されたドラマやバラエティ、系列の映画作品、海外ドラマなども視聴できる特徴があります。
対してAmazonプライムビデオとU-NEXTは、放送局との大きな提携をしていないため、いわゆるテレビ番組の「見逃し配信」は多くありません。放送局系コンテンツは課金しなければ視聴できなかったり、配信自体していない場合があります。
しかし、Amazonプライムビデオの場合は、その世間的な知名度、プラットフォームとしての礎を築き上げ、他社VODよりも圧倒的に安い、破格の値段でサービス展開できています。加えて、松本人志さんの「ドキュメンタル」のような日本向けの独占コンテンツを配信できていることも、利用率や満足度の高さにつながっているのでしょう。
Amazon | U-NEXT | |
利用率 | 41.0% | 4.6% |
満足度 | 80.4% | 44.1% |
参考 動画配信ビジネス調査報告書2017/インプレス総合研究所
U-NEXTの場合は、放送局や制作会社との強い提携もなく、独占配信コンテンツも目立ったものがありません。
月額料金が国内全VODの中で高いという難点もありますが、コンテンツ数が他社と比較して最も多く、他社にはない映画やドラマを配信し、都度課金や映画館のチケットに使えるポイントを毎月付与している点などで差別化を図っています。また見放題のアダルトコンテンツを揃えているのもU-NEXTのみです。
他社にはない多くのメリットがありますが、「コストパフォーマンス」の点を考えると、この利用率と満足度の低さには納得してしまいます。
参考 他のVODとの料金比較
VOD | 月額料金(税込) |
Amazonプライムビデオ | 500円 (409円) |
U-NEXT | 2,149円 |
Hulu | 1,008円 |
dTV | 540円 |
Netflix | 702~1,566円 |
DAZN | 1,890円 |
こうして比較してみるとU-NEXTの料金の高さは一目瞭然。Amazonプライムビデオの会費は年額(4,900円)で支払うと月あたり409円まで更に下がります。
U-NEXTとの月額料金の差はおよそ6.6倍。料金のみの比較ではAmazonプライムビデオに軍配が上がります。
AmazonプライムビデオとU-NEXTの得意分野・オリジナルコンテンツの比較
Amazonプライムビデオ | U-NEXT | |
得意分野 | ・Amazonプライム会員特典 ・オリジナル作品 |
・映画館とのポイント連携 ※U-NEXT内のポイントを実際の映画館で変換できる ・最新映画(都度課金) ・アダルトコンテンツ見放題 ・雑誌読み放題 |
オリジナル作品 | ・「バチェラー・ジャパン」 ・「ドキュメンタル」 ・「今田×東野のカリギュラ」 ・「千原◯ニアの◯◯-1GP」 ・「仮面ライダーアマゾンズ」 ・ドラマ「TOKYO VAMPIRE HOTEL」 他 |
- |
独占配信 | ・映画「STAND BY ME ドラえもん」 ・ドラマ「ドクターX」シリーズ ・映画「64 -ロクヨン-」 他 (2018年4月時点) |
・映画「あゝ、荒野」 |
U-NEXTというのは、イメージで言うと何でも取り揃えている「コンビニ」のようなもの。しかしスーパーやディスカウントショップなどと比較すると少しずつ商品の値段が高い。U-NEXTに行けばとりあえず商品は揃っているので、見て楽しむことはできるけど、価格の高さから満足度は高められない、という印象です。
Amazonプライムビデオの場合は、そもそも「Amazon」としてのEC通販事業を支えるサービスの特典にすぎないため、ここまで価格を抑えることができます。またプライム会員に加入をすることでVODのサービス以外にも多くの特典を受けられるメリットがあります。
更にAmazonプライムビデオでしか見られない独占コンテンツもいくつかあります。
テレビCMなどでも度々目にする、Amazonオリジナル「ドキュメンタル」は非常に人気。「ドキュメンタルが見たい」という理由でAmazonプライム会員に登録される方も非常に多いようです。
ドキュメンタルだけでも大体3ヶ月~半年に1回追加配信されており、飽きさせない工夫がなされています。
ちなみにU-NEXTの「雑誌読み放題」についてはほとんど期待できません。毎日入れ替わる70冊ほどの雑誌が読み放題になるのですが、そもそも魅力ある雑誌が揃っていなかったり、専用のリーダーが極めて使いにくかったりと、散々な口コミで溢れています。Amazonプライム会員にも雑誌読み放題の特典が付帯しています。
関連記事
・U-NEXTの雑誌読み放題を1ヶ月使い倒して感じたメリット・デメリット
U-NEXTの魅力
唯一U-NEXTがAmazonプライムビデオに勝っているポイントといえば、「最新動画にポイントを利用できる」「アダルトコンテンツも見放題対象」「実際の映画館でもポイントが使用できる」これら3点です。
例えば2018年上旬に話題を呼んだ作品「グレイテスト・ショーマン」を国内VODで最速配信したのがU-NEXTです。もちろん定額料金における無料配信することはできませんが、毎月付与されるポイントを使えば実質無料で視聴することができます。
そしてアダルトコンテンツが付帯して見られる定額制のVODもU-NEXTとTSUTAYA TVだけ。TSUTAYA TVと比較しても、U-NEXTならほぼ毎週新しい動画が10~50本近く配信されるため飽きさせない工夫もされています。
比較対象としてDMM.comなどもありますが、それはアダルトコンテンツを専門で扱っているので対象から外します。
U-NEXTは毎月1200円分のポイントが付与されます。つまり、実質的な月額料金は790円。それでもAmazonプライムビデオと比較してしまうと高いように感じますが、このポイントが実際の映画館の割引にも使用できるのです。
最新の映画に使えるポイントというのは画期的ですし、他社にはないサービスです。ユナイテッド・シネマやイオンシネマなどの大手映画館で利用することができるので、映画好きの方が加入することも多いようです。
これらの点に価値を感じることができれば、U-NEXTに入ることをおすすめします。
難点も多いですが、他社にはないサービスをいくつも提供していることが、U-NEXTが国内8位ながらも10年以上稼働している理由の一つなのだと思います。
AmazonプライムビデオとU-NEXTの比較まとめ
サービスの質を純粋に比較すると圧倒的にAmazonプライムビデオに軍配が上がります。
それは利用率や満足度、その中身をこうして掘り下げても理解できます。ただ、普段からAmazonの通販を利用していない方にとっては、ハードルが高いと感じてしまう方も多いようです。
またAmazonプライムビデオの場合、マルチアカウントで視聴することができないため、アカウントを分けたい人にとっては不便な点です。
対してU-NEXTは、価格は高いものの取り揃えは十分。課題は多いものの、特に映画館によく通う方や、新しい映画作品をどこよりも早く観たい、アダルトなど他のサービスにない作品を観たい方に多く利用されているようです。
両者とも1ヶ月間の無料のトライアルが用意されており、まずは実際に体験してみることをおすすめします。