AmazonプライムビデオとNetflixについて、データやサービスの質、実態などの比較を行いました。
インプレス総合研究所の調査によると2017年度国内利用率は、Amazonプライムビデオが41.0%(1位)、Netflixが7.6%(4位)。利用率で見るとAmazonプライムビデオが「圧勝」と言ってもいいほどの差が開いています。
しかし、海外に目を向けてみると、Netflixの会員は1億人。世界一のVODサービスであるとも言われています。
AmazonプライムビデオとNetflixが日本でサービスを始めたのは2015年9月と全くの同時期であることを考えると、スタートダッシュに成功にしたのはAmazonプライムビデオでしょう。
VODごとの「満足度」ではNetflixがAmazonプライムビデオを上回っていますが、両者ともコンテンツやサービスの性質が異なるためあまり参考にはなりません。
Amazon | Netflix | |
利用率 | 41.0% | 7.6% |
満足度 | 80.4% | 93.5% |
参考 動画配信ビジネス調査報告書2017/インプレス総合研究所
この記事では、こうした数字だけではわからないサービスの実態面を含め、AmazonプライムビデオとNetflixの比較を行っていきます。なお2社の個別の詳細は下記で紹介しています。
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・Netflixのサービス詳細まとめ
Amazonプライムビデオ × Netflix
Amazonプライムビデオ | Netflix | |
登録URL | http://www.amazon.co.jp/ | https://www.netflix.com/ |
運営会社 | Amazon.com | Netflix, Inc. |
サービス開始 | 日本:2015年9月24日 | アメリカ:2007年1月 日本:2015年9月1日 |
提携局 | - | フジテレビ |
配信本数 | 26,598本 ※2017年5月時点 |
非公開 |
カテゴリー | ・海外映画 ・国内映画 ・国内ドラマ ・アニメ ・キッズ、ファミリー ・ミュージック ・ドキュメンタリー ・お笑い、バラエティ ・ステージ ・ホビー、実用 ・スポーツ、フィットネス ・アイドル ・エロス |
・国内映画 ・海外映画 ・国内テレビ番組、ドラマ ・海外テレビ番組、ドラマ ・アジア映画 ・アジアテレビ番組、ドラマ ・アニメ ・キッズ、ファミリー ・コメディ ・アクション ・SF、ファンタジー ・ヒューマンドラマ ・ラブロマンス ・サスペンス ・ホラー ・ドキュメンタリー ・受賞歴のある作品 ・インディーズ映画 ・バラエティ ・懐かしの名作 ・音楽、ミュージカル ・趣味、映像、その他 |
会員数 | プライム会員の数は非公開 ※概算では国内に500万人超 |
1億1700万人 ※2018年4月時点 ※国内の会員数は非公開 |
対応デバイス | ・PC(Windows、Mac) ・スマホ、タブレット(iOS、Android、Windows) ・スマートテレビ ・STB(Chromecast、Amazon Fire TV、Apple TV 他) ・ゲーム機(PlayStation3・4、Wii U) |
|
画質 | SD/HD/フルHD/4K | SD/HD/フルHD/4K(HDR) |
データ通信量 | 0.14~0.46GB/1時間 | 0.3GB~3GB/1時間 4K:最大7GB/時 ※回線状況により変動 |
VR | 非対応 | 非対応 |
サービス価格 | 年額4,900円(税込) 月額500円(税込) |
・ベーシック:864円(税込) ・スタンダード:1,296円(税込) ・プレミアム:1,944円(税込) プランの詳細はこちらで解説 |
無料トライアル | 30日間 | 31日間 |
マルチアカウント | 非対応 ※同時視聴は3端末まで可 |
対応:オーナーを含め5個まで作成可能 ※同時視聴数はプランにより異なる。スタンダードは2台。 |
ダウンロード | Amazonビデオで購入した動画は可 | ほとんどの作品で可能 |
課金手段 | ・クレジットカード ・Amazonギフト券 |
・クレジットカード ・デビットカード ・PayPal ・Netflixプリペイドカード ・iTunes(Apple TV利用者) ・Google Play ・SoftBankキャリア決済 |
サポート | 年中無休 |
参考 動画配信ビジネス調査報告書2017/インプレス総合研究所
コンテンツの網羅性・独自性を比較
AmazonプライムビデオとNetflixはいくつかの類似点があります。以下のような点が挙げられます。
- 大手外資系VODサービスである
- 放送局系VODではない
- オリジナルコンテンツに非常に力を入れている
※CMでは、Amazonプライムビデオが松本人志を起用、Netflixが明石家さんまを起用するなど、ライバル意識も見られる。 - 日本でサービスを開始した年月が同じ(2015年9月)
こうした共通点がありながら、Amazonプライムビデオが突き放す形で国内の利用率を高めている理由は、「Amazon」という我々にとっては非常に身近な存在となった通販事業が本業にあるからでしょう。
そしてNetflixよりも1年ばかり「VODサービス」を広めるのが早かったことも挙げられます。Netflixが国内でCMを出すようになったのは、2016年に又吉直樹原作の「火花」を独占配信したときから。最近になって明石家さんまを起用したCMを放送していますが、少し出遅れた形となりました。
利用率はAmazonがダントツですが、サービスの品質はNetflixが劣っている、Amazonプライムビデオが優れている、とは感じません。サービスの認知度に差がある状態で、そこでAmazonが一つ抜け、畳み掛けるように興味深いコンテンツをどんどん追加している形です。
更に見逃せないのがAmazonプライムビデオの月額料金の圧倒的な安さです(以下)。
VOD | 月額料金(税込) |
Amazonプライムビデオ | 500円 (409円) |
Netflix | 702~1,566円 |
TSUTAYA TV | 933円 |
U-NEXT | 2,149円 |
Hulu | 1,008円 |
dTV | 540円 |
DAZN | 1,890円 |
正直、これだけ安ければ多少コンテンツが少なくとも多くの方が登録することでしょう。そしてこれは、「Amazonプライム会員」の価格ですので、プライムビデオの特典はあくまでもおまけで、多くのサービスが用意されています。
利用価格に対する付加価値が極めて大きいため、VODの中では非常に驚異的な存在と言えます。
AmazonプライムビデオとNetflixの独自コンテンツを比較
AmazonプライムビデオとNetflixの比較において、最も重要となるのがオリジナルコンテンツの比較です。特にAmazonプライムビデオで人気なのが松本人志さんによる「ドキュメンタル」。
シリーズ化され定期的に配信されるため、これだけのために登録していても月額409円分のもとは十分取ることが可能です。
テレビのCMを見ていても分かりますが、NetflixのCMのインパクトよりAmazonプライムビデオのドキュメンタルのインパクトの方が遥かに強く、作品自体もその期待を裏切らない面白さです。
Netflixの場合は、又吉直樹原作のドラマ「火花」など、Netflix独占コンテンツを目当てに登録される方が多くいます。
両者ともオリジナルコンテンツには非常に力を入れており、毎月新しい動画が追加されるため全く飽きません。
個人的にVODへの登録基準の第一は「独自コンテンツ」であると思っていますので、その点では両者とも非常に魅力的に感じています。
Amazonプライムビデオ | Netflix | |
得意分野 | ・Amazonプライム会員特典 ・オリジナル作品 |
・4K、HDRコンテンツ ・VODの操作性 ・オリジナル作品のボリューム |
オリジナル作品 | ・「バチェラー・ジャパン」 ・「ドキュメンタル」 ・「今田×東野のカリギュラ」 ・「千原◯ニアの◯◯-1GP」 ・「仮面ライダーアマゾンズ」 ・ドラマ「TOKYO VAMPIRE HOTEL」 他 |
・火花 ・デスノート(海外) ・深夜食堂 Tokyo Stories ・テラスハウス ・サボリーマン甘太郎 他 |
AmazonプライムビデオとNetflixの比較まとめ
ここまで色々なデータでAmazonプライムビデオとNetflixを比較してきましたが、実際に登録しようかその決め手になるのはやはり「オリジナルコンテンツ」ではないでしょうか。
ただAmazonプライムビデオの場合は、本業の通販における「お急ぎ便」「日時指定便」や「音楽聞き放題サービス(プライムミュージック)」などもあるため、総合的なお得度では軍配が上がります。
日頃からAmazonをよく利用している方は、まず間違いなくプライム会員に登録すべきです。私もAmazonプライムに加入していますが、Amazonプライムビデオの品質が落ち、全く見なくなったとしても退会しようとは思わないでしょう。それだけ他の特典も魅力的に感じています。
ただ、Netflixの場合は見たい動画がなくなれば退会も考えるかもしれません。生活に密着したサービスで月額409円という破格の値段、総合的な付加価値が高いAmazonプライムビデオはやはり強いですね。
どちらも無料体験を1ヶ月試すことができるので(もちろん無料期間中に辞めても課金されない)、実際に両方に登録して自分で比較してみるのも良いでしょう。