AmazonプライムビデオとdTVについて、データやサービスの質、実態などの比較を行いました。
インプレス総合研究所が調査した2017年度国内利用率は、Amazonプライムビデオが41.0%(1位)、dTVが10.2%(3位)。順位で見ると僅差ですが、割合を見るとAmazonプライムビデオがdTVに大きく差を付けているのがわかります。
またdTVは「国内で最も会員を抱えているVOD(469万人)」と紹介されていますが、それはあくまで会員数を公開しているVOD会社に限ります。
実際に、Amazonプライムビデオに登録している方の声はよく聞きますが、「dTVに登録している」という方の声はほとんど聞いたことがありません。これは「dTVが劣っている」という意味ではなく私の主観です。dTVのCMもあまり見かけません。
恐らく、ドコモショップ等で勧誘され登録したユーザー、一度も利用したことがないユーザーが会員数に入れられていることが想像できます。もちろんこれもキャリア系VODの強みなので文句はありませんが、VODとしての事実上の知名度や利用率、単純な動画のおもしろさではAmazonプライムビデオが圧倒的です。
ここではあくまで客観的なデータと、両方登録している私自身の主観なども織り交ぜながら紹介していきます。なお個別の詳細については以下でまとめています。
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・dTVのサービス詳細まとめ
Amazonプライムビデオ × dTV 比較
Amazonプライムビデオ | dTV | |
登録URL | http://www.amazon.co.jp/ | https://pc.video.dmkt-sp.jp/ |
運営会社 | Amazon.com | 株式会社NTTドコモ |
サービス開始 | 2015年9月24日 | 2011年11月 |
提携局 | - | TBS |
配信本数 | 26,598本 ※2017年5月時点 |
約12万本 ※カラオケ映像なども含む |
カテゴリー | ・海外映画 ・国内映画 ・国内ドラマ ・アニメ ・キッズ、ファミリー ・ミュージック ・ドキュメンタリー ・お笑い、バラエティ ・ステージ ・ホビー、実用 ・スポーツ、フィットネス ・アイドル ・エロス |
・洋画 ・邦画 ・アニメ ・海外ドラマ ・国内ドラマ ・韓流、華流 ・ガールズch(2016年10月新設) ・キッズ ・教養 ・バラエティ ・シアター ・dTVオリジナル ・音楽 ・ショートショート ・レンタル ・FOXチャンネル |
会員数 | プライム会員の数は非公開 ※概算では国内に500万人超 |
469万人 ※2017年3月現在 |
対応デバイス | ・PC(Windows、Mac) ・スマートフォン、タブレット(iOS、Android) ・スマートテレビ ・STB(Chromecast、Amazon Fire TV、Apple TV 他) ・ゲーム機(PlayStation3・4、Wii U)※dTVは非対応 |
|
画質 | SD/HD/フルHD/4K | SD/HD/フルHD/4K |
データ通信量 | 0.14~0.46GB/1時間 | 0.15~1.52GB/1時間 |
VR | 非対応 | 対応 |
サービス価格 | 年額4,900円(税込) 月額500円(税込) |
月額500円 |
無料トライアル | 30日間 | 31日間 |
マルチアカウント | 非対応 ※同時視聴は3端末まで可 |
非対応 |
ダウンロード | Amazonビデオで購入した動画は可 | 一部可能 |
課金手段 | ・クレジットカード ・Amazonギフト券 |
・クレジットカード ・ドコモキャリア決済 |
サポート | 年中無休 |
参考 動画配信ビジネス調査報告書2017/インプレス総合研究所
コンテンツの網羅性・独自性を比較
AmazonプライムビデオとdTVのデータを見て、まず目にとまるのは「配信本数」ではないでしょうか。
Amazonプライムビデオ:26,598本
dTV:約12万本
これだけ見ると「Amazonの配信数は少ないからすぐに飽きそうだ」「Amazonプライムビデオが安いのは配信数が少ないから」と思いがちですが、そうではありません。
dTVの配信数の実態は、カラオケ映像やショートムービー(10分以下の動画)、LIVE映像を細かく分割したものなどもカウントされているためで、私の実感ではdTVのコンテンツが特に多いと感じたことはありません。むしろ「見たくない」「興味がない」動画も多くなるため、検索する際にそれらの動画が邪魔になることが多いです。
正直なところ、配信数は大手であればどこのVODを選んでも同じです。配信数ではなく、得意ジャンルやVODの系列、「見たい動画があるか」という視点で確認すべきです。
つまらない動画が10万本あるVODと、日頃からよく観る又は魅力的な動画が1万本あるVODでしたら、誰でも後者を選ぶでしょう。
またAmazonプライムビデオの動画配信数がdTVと比べても、またそれ以外の他社VODと比較しても少ないのは、動画の定期的な刷新を行っているためです。再生回数の少ないものは即座に配信終了し、効率化を図っています。
VOD | 配信本数 |
Amazonプライムビデオ | 26,598本 |
dTV | 約12万本 |
Hulu | 41,521本 |
U-NEXT | 約12万本 |
TSUTAYA DISCAS | 約85,000タイトル |
Netflix | 非公開 |
参考 動画配信ビジネス調査報告書2017/インプレス総合研究所
実際に使用していて「Amazonプライムビデオの動画が少ない」と感じることが少ないのは、視聴数が少ない動画の削除、新コンテンツの導入を同時に行っているためでしょう。ですからAmazonプライムビデオは常にトレンド感が溢れ、古い動画でも人気が残り続けているものは残っているのです。
動画数が多いことも確かに比較の指標ではありますが、私がここで述べたいことは、動画数でVODの価値に優劣が付くものではないということです。両者の抱えている動画の質やラインナップの決定がどう行われているのか理解してもらえればOKです。
AmazonプライムビデオとdTVの独自コンテンツを比較
ここからはAmazonプライムビデオとdTVが持っているオリジナルコンテンツを比較していきます。
特にAmazonプライムビデオの「ドキュメンタル」は爆発的な人気を集めています。これだけのためにAmazonプライムビデオに登録をするという方も非常に多いです。
またあまり知られていませんが個人的には「カリギュラ」というAmazonオリジナル番組も非常におすすめです。
dTVも、人気アニメを実写化した「銀魂」、人気ドラマ「闇金ウシジマくん」などのスピンオフを独占配信。
両者とも独占配信、「Amazonプライムビデオでしか見られない」「dTVでしか見られない」というコンテンツの制作には非常に力を入れています。しかし、その人気度・質で見ると、一歩Amazonプライムビデオが上回っている印象を受けます。
Amazonプライムビデオ | dTV | |
得意分野 | ・Amazonプライム会員特典 ・オリジナル作品 ・吉本系列コンテンツ |
・TBS系コンテンツ |
オリジナル作品 | ・「バチェラー・ジャパン」 ・「ドキュメンタル」 ・「今田×東野のカリギュラ」 ・「千原◯ニアの◯◯-1GP」 ・「仮面ライダーアマゾンズ」 ・ドラマ「TOKYO VAMPIRE HOTEL」 他 |
・銀魂-ミツバ編-(4K) ・ゴッドタン(dTVオリジナル) ・闇金ウシジマくん(dTVオリジナル) |
独占配信 | ・映画「STAND BY ME ドラえもん」 ・ドラマ「ドクターX」シリーズ ・映画「64 -ロクヨン-」 他 (2018年4月時点) |
BeeTVコンテンツ |
やはり「Amazonプライムビデオ=松本人志のドキュメンタル」という印象づけに成功したAmazonには強みがあります。
加えて、Amazonプライムビデオは「Amazonプライム会員」の付帯サービスなので、VOD以外のサービスも同時に受けることができます。その上での月額409円(年額支払)という価格なので、コストパフォーマンスの面で見るとまさに破格です。
dTVの場合、4Kが見られたり、動画のダウンロードができたり、もちろん独占配信のコンテンツがあったり、VODとしては非常に優秀なのですが、肝心の「見たい動画・魅力的な動画」が少ない印象です。さらに4Kはたった1本(2018年4月現在)しか配信されていないため、それを目的に登録するのも・・・という印象です。
AmazonプライムビデオとdTVの比較まとめ
dTVは携帯キャリア系ということでワンコインで登録できたり、スマホ用にダウンロード機能が実装されていたりと得意な面はあるのですが、価格面や満足度、そして実際に国内で利用されている割合で見た場合は、Amazonプライムビデオが優勢であると感じます。
月額料金(税込) | 利用率 | |
Amazon | 409円 | 41.0%(1位) |
dTV | 540円 | 10.2%(3位) |
価格面ではどちらも「超」優秀です。とても高いレベルの比較であり、どちらに登録しても失敗しません。
個人的にはAmazonを通販で多用しており、FireTVも愛用しているためAmazonプライムビデオ寄りの意見になってしまいます。かなり生活に寄り添った近い印象にあるAmazonプライムビデオなので、使用する頻度もこちらの方が多いです。
なお無料トライアルも用意されているので、まずは両方試してみて自分で比較してみるのが良いでしょう。