HuluとdTVについて、データやサービスの質、実態などの比較を行いました。
インプレス総合研究所による調査の2017年度国内利用率は、Huluが14.9%(2位)、dTVが10.2%(3位)。2017年度の数字だけを見ると、単純な利用率はHuluが勝っていることがわかりますが、実は、HuluもdTVも前年度比較ではかなり数字を落としており、AmazonプライムビデオやNetflixの台頭によりパイを奪われています。
利用率 | 2016年 | 2017年 | 増減 |
Hulu | 18.5% | 14.9% | ↓3.6% |
dTV | 15.3% | 10.2% | ↓5.1% |
dTVは国内会員数No.1を誇るサービスとして知られていますが、それは国内で会員数を公開しているサービスに限定。実際に利用されているのはHuluやAmazonプライムビデオの方が多いのも各データを見るとわかります。
本記事では両者の実態面の比較を行っていきます。なお2社のサービス詳細は下記で紹介しています。
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・Huluのサービス詳細まとめ
・dTVのサービス詳細まとめ
Hulu × dTV
Hulu | dTV | |
登録URL | https://www.happyon.jp/ | https://pc.video.dmkt-sp.jp/ |
運営会社 | HJホールディングス株式会社 | 株式会社NTTドコモ |
サービス開始 | 2011年9月 | 2011年11月 |
提携局 | 日本テレビ | TBS |
配信本数 | 41,521本 ※2016年12月時点 |
約12万本 ※カラオケ映像なども含む |
カテゴリー | ・海外TV ・国内TV ・海外映画 ・国内映画 ・アニメ ・FOXチャンネル ・リアルタイム(LIVE) |
・洋画 ・邦画 ・アニメ ・海外ドラマ ・国内ドラマ ・韓流、華流 ・ガールズch(2016年10月新設) ・キッズ ・教養 ・バラエティ ・シアター ・dTVオリジナル ・音楽 ・ショートショート ・レンタル ・FOXチャンネル |
会員数 | 155万1595人 ※2017年3月時点 |
469万人 ※2017年3月現在 |
対応デバイス | ・PC(Windows、Mac) ・スマートフォン、タブレット(iOS、Android) ・スマートテレビ ・STB(Chromecast、Amazon Fire TV、Apple TV 他) ・ゲーム機(PlayStation3・4・Wii U) ※dTVはゲーム機非対応 |
|
画質 | SD/HD/フルHD | SD/HD/フルHD/4K(HDR) |
データ通信量 | 0.21~1.80GB/1時間 | 0.15~1.52GB/1時間 |
VR | 非対応 | 対応 |
サービス価格 | 月額993円 | 月額500円 |
無料トライアル | 2週間 | 31日間 |
マルチアカウント | オーナーを含め6個まで作成可能 | 非対応 |
ダウンロード | 不可 | 一部可能 |
課金手段 | ・クレジットカード ・キャリア端末決済 ・PayPal ・iTunes(Apple TV利用者) ・Huluチケット |
・クレジットカード ・キャリア決済(ドコモ) |
サポート | 年中無休 |
参考 動画配信ビジネス調査報告書2017/インプレス総合研究所
コンテンツの網羅性・独自性を比較
HuluとdTVの比較にあたってまず確認することは、両者のバックボーンです。
まずHuluは海外発のVODでありながら、日本版サービスは「日本テレビ」の傘下にあります。したがって、日本テレビ系のドラマやバラエティ、地方局番組も見逃し配信などが視聴可能。「日テレオンデマンド」同様のコンテンツが同時に楽しめることになります。加えて、海外ドラマや海外映画がどこよりも早く配信されます。
dTVについては、TBSと提携を行っているため、TBSオンデマンド上の動画がいくつか見られます。またかつてNOTTVやBeeTVの配信を行っていたため、独自コンテンツ制作のノウハウや制作会社とのつながりもあります。そして携帯キャリア系VODであるため、会員数を多く抱え、月額料金を他社より抑えることができます。
まとめると以下のような特徴があることがわかります。
VOD | メリット | デメリット |
Hulu | ・日テレ傘下、見逃し配信あり ・独自コンテンツあり ・海外ドラマにも強い |
・Huluの倍の月額料金 |
dTV | ・TBSとの提携 ・携帯キャリア系なので安い ・独自コンテンツあり |
・最新番組の配信は弱い |
実際の利用率、満足度は以下のようになっています。
Hulu | dTV | |
利用率 | 14.9% | 10.2% |
満足度 | 78.6% | 80.7% |
参考 動画配信ビジネス調査報告書2017/インプレス総合研究所
僅差ではありますが、利用率が低いdTVの方が満足度でHuluを上回る形に。やはり月額料金が500円という破格の値段であり、12万以上のコンテンツを抱えていることが大きな理由でしょう。
HuluとdTVの独自コンテンツを比較
ここからはHuluとdTVが持っているオリジナルコンテンツを比較していきます。
個人的に、独自コンテンツ(オリジナルコンテンツ・独占配信)は、VODへ登録するうえで最も重要な検討項目であると感じています。理由は、月額見放題の対象となっている(権利上の障壁が低い)動画というのは多くのVODに登録しても見ることができるので、それだけでよければdTVや月額料金が安いVODに登録すべきだからです。
例えば、Amazonプライムビデオの「ドキュメンタル」、Netflixの「火花」などは、全てオリジナルコンテンツ。そのVODに登録しないと見られない作品です。
そうしたコンテンツが用意されているVODの方が価値は高いですし、「見たい」と思う動画がなければ登録しても意味がありません。
独自コンテンツの制作・配信に関しては、HuluもdTVも特に力を入れています。
Hulu | dTV | |
得意分野 | ・海外ドラマ ・見逃し配信(日テレ) |
・独自コンテンツ ・邦画、ドラマ |
オリジナル作品 | ・デスノート NEW GENERATION ・CROW’S BLOOD ・代償 ・NOGIBINGO(NOGIROOM) ・住住 他 |
・銀魂-ミツバ編- ・パパ活 ・ゴッドタン(dTVオリジナル) ・闇金ウシジマくん(dTVオリジナル) |
独占配信 | ・笑点 ・今夜くらべてみました ・有吉反省会 ・東野・岡村の旅猿シリーズ ・ヨロシクご検討ください ・有吉の壁 ・マツコとマツコ ・ガキの使いやあらへんで ・宇宙兄弟 ・前略、西東さん ・ゴリ夢中 ・オードリーさん ぜひ会って欲しい人がいるんです ・太田上田 他 |
BeeTVコンテンツ |
まずHuluから見てみると、日本テレビ系のドラマや映画のスピンオフなどを多く配信している印象を受けます。またここにはまとめていませんが、ジャイアンツ戦の主催試合もHulu内でライブ配信されます。
独占配信コンテンツには、例えば日テレ系の地方局で放送されているバラエティなどが配信されています。個人的には中京テレビで放送されている「オードリーさん、ぜひ会って欲しい人がいるんです」がお気に入りです。番組の存在はずっと知っていたのですが、東京に住んでいるために見られず、当初はこのためだけにHuluに登録してしまいました。
そしてもう一つHuluを選択肢に入れる場合のメリットは、「海外ドラマ」が日本で最も早く見られる「Huluプレミア」というサービスです。
Huluは海外の放送局・制作局が共同で設立したため、海外ドラマをどのVODよりも早く独占的に配信することが可能になっています。海外ドラマ好きの方はHuluは絶対に外せません。
対してdTVの場合は、前身のBeeTVやNOTTVのコンテンツ、そして音楽LIVE映像などのコンテンツも独占配信ししています。TBS系の映画やドラマのスピンオフも制作しています。
BeeTVは当時酷評されていましたが、VODがこのように浸透してきて、過去の動画にも注目が集まっています。例えば「悪の教典」などは当時BeeTVだけでドラマ版が放送されていました。こうしたコンテンツもdTVで見ることができます。
HuluとdTVの比較まとめ
私は両方のVODに登録していますが、利用頻度で言うと「Hulu」が圧倒的に多いです。というのも、私は巨人戦と、Hulu内の見逃し配信をよく視聴するので。そのおまけでHulu内の独占コンテンツ、その他の動画を楽しみます。
dTVについては、dTVのオリジナルコンテンツが配信されたら楽しむ程度で、メインとしては使用していません。
どなたも同じだと思いますが、最初は「動画を片っ端から見てもとを取ってやる!」と意気込みますが、そのうち見たい動画には偏りが出てきます。私の場合はそれがHuluに多くコンテンツがあった、というだけです。ですからどちらの方が「優れている」という優劣の判断はできません。
dTVは価格がワンコインと破格的な価格ですし、オリジナルコンテンツも豊富。ただHuluの月額料金が「高い」かと言われば、全体で比較するとそうでもありません。どちらも無料トライアルが用意されているので、まずは両方試してみて自分で比較してみるのも良いでしょう。