Amazonプライムビデオとauビデオパスについて、データやサービスの質、実態などの比較を行いました。
インプレス総合研究所の調査による2017年度国内利用率によると、Amazonプライムビデオが41.0%(1位)、auビデオパスが0.7%(21位)。
利用率では圧倒的な開きがありますが、「みんなが使っているから優れたVOD」というわけではありません。そもそもauビデオパスはauユーザーしか登録することができない「隠れVOD」であり、国内で利用率トップを目指したものではないからです。
そうした実態面の比較をここでは行っていきます。なお2社の個別の詳細は下記で紹介しています。
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・auビデオパスのサービス詳細まとめ
Amazonプライムビデオ × auビデオパス
Amazonプライムビデオ | auビデオパス | |
登録URL | http://www.amazon.co.jp/ | https://www.videopass.jp/ |
運営会社 | Amazon.com | KDDI株式会社 |
サービス開始 | 2015年9月24日 | 2012年5月 |
系列 | - | テレビ朝日 |
配信本数 | 26,598本 ※2017年5月時点 |
約1万本 |
カテゴリー | ・海外映画 ・国内映画 ・国内ドラマ ・アニメ ・キッズ、ファミリー ・ミュージック ・ドキュメンタリー ・お笑い、バラエティ ・ステージ ・ホビー、実用 ・スポーツ、フィットネス ・アイドル ・エロス |
・洋画 ・邦画 ・国内ドラマ ・アニメ、キッズ ・音楽、お笑い ・その他 |
会員数 | プライム会員の数は非公開 ※概算では国内に500万人超 |
非公開 |
対応デバイス | ・PC(Windows、Mac) ・スマートフォン、タブレット(iOS、Android) ・テレビ ・STB(Chromecast、Apple TV、Amazon Fire TV 他) ※auビデオパスはAmazon Fire TVに非対応 |
|
画質 | SD/HD/4K | SD/ハーフHD(720p) |
データ通信量 | 0.14~0.46GB/1時間 | 0.10~2.00GB/1時間 |
VR | 非対応 | 対応 |
サービス価格 | 年額4,900円(税込) 月額500円(税込) |
月額562円 |
無料トライアル | 30日間 | 31日間 |
マルチアカウント | 非対応 ※同時視聴は3端末まで可 |
非対応 |
ダウンロード | Amazonビデオで購入した動画は可 | 一部可能 |
課金手段 | ・クレジットカード ・Amazonギフト券 |
・クレジットカード ・auかんたん決済 |
サポート | 年中無休 |
参考 動画配信ビジネス調査報告書2017/インプレス総合研究所
Amazonプライムビデオとauビデオパスの共通点を比較:配信動画本数が少ない
Amazonプライムビデオとauビデオパスの共通点は、「配信動画を常に刷新している」ということです。言い方を変えれば、よく動画が消える、常に動画のラインナップが変わっている、と表すこともできます。
実はAmazonプライムビデオとauビデオパスは、配信動画数が「少ない」VODとして知られています。
VOD | 配信本数 |
dTV | 約12万本 |
U-NEXT | 約12万本 |
TSUTAYA DISCAS | 約85,000タイトル |
Hulu | 41,521本 |
Amazonプライムビデオ | 26,598本 |
auビデオパス | 約1万本 |
Netflix | 非公開 |
参考 動画配信ビジネス調査報告書2017/インプレス総合研究所
しかし、「配信本数が少ない」=「新作が少ない」ということではありません。
むしろ、dTVやU-NEXTの配信本数の実態を見てみると、カラオケ動画(ボーカルが入っていないInstrumental動画)が数万本入っていたり、10分以下のショートムービーがカウントされていたり、長い動画が分割されていたり…。
dTVもU-NEXTも「見たい動画」が12万本あるわけではなく、必ずしも質が良いわけではありません。
よって、VOD各社が公表している動画数というのは正直参考になりません。
またauビデオパスの1万本という動画も、それ全てを見るのには膨大な時間がかかります。こうした数字のマジックにも注意して下さい。
さらにAmazonプライムビデオやauビデオパスは、より厳選された動画が集まっているため、検索もスムーズですし快適です。U-NEXTやdTVは検索時に有料の動画が入り込んできたり、見たくもない・聞いたことが無い動画が入り込んでくるためストレスになります。
Amazonプライムビデオとauビデオパスの相違点を比較
ここからはAmazonプライムビデオとauビデオパスの相違点を比較し、価格の妥当性を紐解いていきます。
Amazonプライムビデオにあってauビデオパスに無いもの
Amazonプライムビデオの強みは何と言っても「独自コンテンツ」です。むしろ、それだけのためにAmazonプライムビデオに登録される方も多いのではないでしょうか。
松本人志による「ドキュメンタル」を筆頭に、「カリギュラ」、「クレヨンしんちゃん外伝~家族連れ狼」などAmazon独占配信、Amazonが制作しているオリジナル作品が非常に多いのです。
その他、「よしもとお笑いセレクト」といった、吉本興業とのコラボレーションで、お笑いライブが見られるのもAmazonプライムビデオだけ。
実はこうした「独占配信」「オリジナルコンテンツ」というのがauビデオパスにはありません。
auビデオパスにあってAmazonプライムビデオに無いもの
auビデオパスには「テレビ朝日」という強力なバックボーンが存在します。そのため、テレビ朝日系列のドラマ・映画のラインナップは全VODの中でも最多。そして、最新ドラマの見逃し配信もauビデオパス内で行っています。
他社VODでもテレビ朝日系のドラマの見逃し配信をやっているところもありますが、多くのVODでは有料(定額料金とは別に課金するシステム)。定額料金内、かつ高画質で観られる点は、放送局との関係性が強いVODの特権です。
▲U-NEXTでは324円別途課金しないと見られない。
Amazonプライムビデオとauビデオパスの比較まとめ
Amazonプライムビデオとauビデオパスの比較なんて、正直「比較にならない」と思っていた方も多いのではないでしょうか。
実際私は両方のVODに登録して、毎日動画を楽しんでいますが、両者に「独自の特徴」があり、どちらが優れている・劣っているという印象はありません。
むしろauビデオパスはauユーザーしか利用できないサービスですから、ある種の優越感すら感じます。
結論としては、両者ともVODとして優れており、実態面から比較すると決して利用率(Amazonプライムビデオが41.0%、auビデオパスが0.7%)だけでは図れないことが多いのです。