インプレス総合研究所の調査によると、2017年度の国内利用率については、dTVが10.2%(3位)、auビデオパスが0.7%(21位)。
同じ携帯キャリア系のVODでありながらここまで利用率に開きがある理由は、auビデオパスがauユーザーしか利用できない限定のサービスであり、dTVはキャリアフリー、つまりドコモユーザーでなくても利用できるVODであるからです。
- auビデオパス→auユーザーのみ
- dTV→キャリア問わず
実際に両方のサービスを利用してみると、個人的にはauビデオパスの方が使いやすい、また単純に面白いと感じることの方が多い印象でした。
dTV | auビデオパス | |
評価ポイント | ・動画数日本一(12万本) ・キャリア問わず ・TBS系VOD |
・ドラマの見逃し配信を行っている ・auユーザーしか登録できない ・テレビ朝日系VOD |
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dTV × auビデオパス
dTV | auビデオパス | |
登録URL | https://pc.video.dmkt-sp.jp/ | https://www.videopass.jp/ |
運営会社 | 株式会社NTTドコモ | KDDI株式会社 |
サービス開始 | 2011年11月 | 2012年5月 |
提携局 | TBS | テレビ朝日 |
配信本数 | 約12万本 ※カラオケ映像なども含む |
約1万本 |
カテゴリー | ・洋画 ・邦画 ・アニメ ・海外ドラマ ・国内ドラマ ・韓流、華流 ・ガールズch(2016年10月新設) ・キッズ ・教養 ・バラエティ ・シアター ・dTVオリジナル ・音楽 ・ショートショート ・レンタル ・FOXチャンネル |
・洋画 ・邦画 ・国内ドラマ ・アニメ、キッズ ・音楽、お笑い ・その他 |
会員数 | 469万人 ※2017年3月現在 |
非公開 |
対応デバイス | ・PC(Windows、Mac) ・スマートフォン、タブレット(iOS、Android) ・テレビ ・STB(Chromecast、Amazon Fire TV 他) ※auビデオパスはAmazon Fire TVに非対応 |
|
画質 | SD/HD/フルHD/4K | SD/ハーフHD(720p) |
データ通信量 | 0.15~1.52GB/1時間 | 0.10~2.00GB/1時間 |
VR | 対応 | 対応 |
サービス価格 | 月額500円 | 月額562円 |
無料トライアル | 31日間 | 31日間 |
マルチアカウント | 非対応 | 非対応 |
ダウンロード | 一部可能 | 一部可能 |
課金手段 | ・クレジットカード ・ドコモキャリア決済 |
・クレジットカード ・auかんたん決済 |
サポート | 年中無休 |
参考 動画配信ビジネス調査報告書2017/インプレス総合研究所
dTVとauビデオパスの共通点①:携帯キャリア系VOD
dTVとauビデオパスの共通点は、ドコモとau、つまり携帯キャリア系のVODであることです。
そして携帯キャリア系VODの特徴というと、月額料金が安い、スマートフォン向けにカスタマイズされアプリが使いやすく、ダウンロード機能が充実していることが言えます。
VOD | 月額料金 | ダウンロード |
Amazonプライムビデオ | 500円 (409円) |
◯ |
dTV | 500円 | ◎ |
auビデオパス | 562円 | ◎ |
Hulu | 933円 | × |
Netflix | 950円 | ◎ |
DAZN | 1,890円 | × |
U-NEXT | 2,149円 | ◯ |
TSUTAYA DISCAS | 2,417円 | ◯ |
「◎」「◯」の差は、ダウンロードできるコンテンツの数を表しています。「◎」のVODは、見放題配信対象となっているほとんどの動画をダウンロードできます。
それを考えて月額料金を他社と比較すると、dTVとauビデオパスのコストパフォーマンスは非常に良いと言えます。
携帯キャリア系VODがどうして月額料金を押さえられるかというと、スマートフォンを使う前提でサービス展開しているため、「データ通信量(ギガ)」を直接販売することができますし、スマートフォンを契約させるための宣伝効果になるからです。
話が逸れますが、dTVやauビデオパス以上に月額料金が安いAmazonプライムビデオは、本業の「通販事業」「ビッグデータ事業」が大元にあり、あくまでVODがサブの事業(宣伝目的)であるからです。
dTVとauビデオパスの共通点②:放送局の支えがある
dTVはTBS、auビデオパスはテレビ朝日と資本・業務提携を行っており、特にその放送局におけるコンテンツを揃えています。
さらにauビデオパスは、放送直後のドラマの見逃し配信が充実しています。
例えばdTVの他、Netflixもフジテレビと業務提携していますが、見逃し配信はほとんど行っていません。見逃し配信に力を入れているVODはこのauビデオパスと、日本テレビ系のHulu、フジテレビ系のFODプレミアムです。
TVerを利用すれば見逃し配信は見られますが基本的に一週間限定です。auビデオパスやHulu、FODプレミアムであれば約1年間、最新のドラマの見逃し配信を行っています。
dTVは見逃し配信こそ行っていませんが、TBS系のドラマや映画のスピンオフを制作し独自配信しています。こちら「闇金ウシジマくん タクシー編」は、dTV限定のオリジナル作品でここでしか見られません(DVDは出ているのでレンタルは可能です)。
auビデオパスの場合はこうした「独自コンテンツ」「自社制作」の動画がありません。多くがテレビ朝日からの横流しのため、オリジナリティという側面ではdTVに軍配が上がります。
dTVとauビデオパスの相違点を比較
上記の共通点がありながらまず大きく両者で違う点が、キャリアフリー化しているか否か。
dTVはキャリアフリー化しているため、ドコモユーザーでなくても利用することができ、スマートフォンを所有していなくてもdTVに登録できます。
対してauビデオパスはauユーザーしか登録することができません。表面的に見れば、dTVが良心的であるように思いますが、auビデオパスをよく利用している私の目線で見れば、サイトは軽いし、auのポイントは使えるし、その限定感から優越感すら覚えます。
dTVは今や会員数を公表しているVODの中で、最多の会員数を誇るまでに至りました(469万人)。また、auビデオパスよりも価格が62円安いです。
ただ、サービスの実態としては両者とも特徴がまるで異なるため、正直のところ価格やデータ上の利用率だけでは図れないものもあります。
dTVとauビデオパスの動画配信数の比較
dTVの動画配信数は12万本、auビデオパスは1万本。なんと11万本もの開きがあります。それでこの月額料金ならdTVに決定!と言いたいところですが、その数の実態を見てみると、実はほとんど変わりありません。
なぜかというと、dTVの12万本という数字は色々怪しいものが含まれているからです。
例えば以下のようなものが挙げられます。
- カラオケ動画(ボーカル無し、Instrumental映像)が数万本含まれている
- 10分以下のショートムービーが数千本含まれている
- 数時間のライブ映像が5分刻みで動画が分かれている
- アーティストのミュージックビデオが含まれている
- レンタル作品(課金)が含まれている
以上の動画を除外すると、実はauビデオパスと配信数はほとんど変わらない印象です。またVODの比較・選び方でも紹介していますが、VODとは「動画配信数」で選ぶものではありません。
仮に12万本と1万本を比較すると際立ちますが、1万本の動画を見るのはとてつもなく膨大な時間が必要です。
肝心なのは「見たい動画があるか」ということなのです。VODのスペックばかりを見ていては、肝心の動画視聴を楽しむことができなくなります。
dTVとauビデオパスの比較まとめ
dTVは国内で最も会員数が多いVODです。しかし、それがauビデオパスや他社よりも優れたVODである根拠にはなりません。
auビデオパスはau端末を所有している方しか利用できない「隠れVOD」。そして実際に両方のVODを利用している私としては、利用率(dTV 10.2%、auビデオパス 0.7%)以上の価値をそれぞれに感じます。
なお両者とも無料トライアルが用意されているので、2つに登録して比較しながら継続を検討するという方法が一番でしょう。
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