auビデオパスとFODプレミアムについて、データやサービスの質、実態などの比較を行いました。
インプレス総合研究所の調査によると2017年度のVOD国内利用率については、auビデオパスが0.7%(21位)、FODプレミアムが0.6%(23位)。
利用率による比較では両者にほとんど差は見られませんし、正直のところAmazonプライムビデオ(利用率1位)やHulu(利用率2位)と比べると、少し名前負けするというか、auビデオパスにしろ、FODプレミアムにしろ、メジャーどころのVODではありません。
ただ、両者実はAmazonプライムビデオもHuluも行っていない独自のサービスや「色」がありますので、あまり知られてはいませんが個人的にはおすすめしたいVODです。
ここでは客観的なデータと同時に、こうした両者の「実態」に近いところを比較していこうと思います。なお2社の個別の詳細は下記で紹介しています。
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・auビデオパスのサービス詳細まとめ
・FODプレミアムのサービス詳細まとめ
auビデオパス × FODプレミアム
auビデオパス | FODプレミアム | |
登録URL | https://www.videopass.jp/ | http://fod.fujitv.co.jp/s/ |
運営会社 | KDDI株式会社 | 株式会社フジテレビジョン |
サービス開始 | 2012年5月 | 2005年7月 |
系列 | テレビ朝日 | フジテレビ |
配信本数 | 約1万本 | 約3.6万本 |
カテゴリー | ・洋画 ・邦画 ・国内ドラマ ・アニメ、キッズ ・音楽、お笑い ・その他 |
・ドラマ ・バラエティ ・アニメ ・キッズ ・映画 ・スポーツ/エンタメ ・アナウンサー ・FODオリジナル ・FODマガジン |
会員数 | 非公開 | 全体:350万人 有料会員:80万人 ※2016年12月現在 |
対応デバイス | ・PC(Windows、Mac) ・スマートフォン、タブレット(iOS、Android) |
|
・テレビ ・STB |
※テレビ端末非対応 | |
画質 | SD/ハーフHD(720p) | SD/ハーフHD(720p) |
データ通信量 | 0.10~2.00GB/1時間 | 0.15~0.40GB/1時間 |
VR | 対応 | 対応 |
サービス価格 | 月額562円 | FOD見逃し(旧プラスセブン):無料 FODプレミアム:888円(税抜) |
無料トライアル | 31日間 | 1ヶ月間 |
マルチアカウント | 非対応 | 非対応 |
ダウンロード | 一部可能 | 不可 |
課金手段 | ・クレジットカード ・auかんたん決済 |
・クレジットカード ・携帯キャリア決済 ・楽天 ・Yahoo!ウォレット 他 ※一部例外あり |
サポート | 年中無休 |
参考 動画配信ビジネス調査報告書2017/インプレス総合研究所
auビデオパスとFODプレミアムの共通点を比較:放送局との関係性が深いVOD
auビデオパスはテレビ朝日と資本・業務提携、FODプレミアムについてはフジテレビが直で運営しているVODになります。
両者ともに放送局との関係性が強く、ドラマやバラエティの放送直後に見逃し配信や、テレビ朝日あるいはフジテレビのコンテンツを優遇的に配信(他社よりもコンテンツが多い)しています。
特にFODプレミアムについては、動画コンテンツの9割以上がフジテレビの作品ですから、いわゆる「フジテレビアレルギー」の方の登録はおすすめできません。
例えばTVerなどでも今は放送直後のドラマやバラエティが見られるようになりましたが、通信トラブルの問題や、画質、テレビで見られない、1週間限定配信というデメリットもあり、こうしたVODによるドラマの見逃し配信が注目を浴びているのです。
▲auビデオパス(テレビ朝日)の見逃し配信
auビデオパスとFODプレミアムの相違点を比較
ここからはauビデオパスとFODプレミアムの相違点を比較し、価格の妥当性を紐解いていきます。
auビデオパスにあってFODプレミアムに無いもの
auビデオパスは「携帯キャリア系VOD」であるため価格が非常に安いのが強みです。dTVのようにキャリアフリー化はしていないため、auユーザーしか利用できないデメリットもありますが、ワンコインで登録できる月額料金の安さは魅力的です。
VOD | 月額料金 |
Amazonプライムビデオ | 500円 (409円) |
dTV | 500円 |
auビデオパス | 562円 |
Netflix | 950円 |
FODプレミアム | 888円 |
Hulu | 1,008円 |
DAZN | 1,890円 |
TSUTAYA DISCAS | 2,014円 |
U-NEXT | 2,149円 |
VOD=スマートフォンで見る、という印象が強い若年世代にとっては、auビデオパスなどでたくさん動画を見てもらえると、通信制限にかかり、データ通信可能量、いわゆる「ギガ」を購入してもらえるきっかけになります。
また「ビデオパス=au」という宣伝にもなり、月額料金を低くすることができるのです。FODやU-NEXT、Netflixのように、VODが主軸の事業の場合、ここまで料金をおさえることはできません。
しかし、お気づきの方も多いかと思いますが、キャリアフリー化していてなおかつ月額料金も安い「dTV(ドコモ)」の方が、その話からするとオトクなのではないか?という疑問もあると思います。そこはテレビ朝日系列であるということや、auのポイントが使えるなど、単純な価格の比較だけでは見えないところもあります。
こちらは別論点になりますので以下に詳細にまとめています。
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FODプレミアムにあってauビデオパスに無いもの
FODプレミアムが特に力を入れているのが「オリジナルコンテンツ」の制作です。「FODオリジナル」では、FOD内でしか見られない独自制作番組の配信を行っており、実はこれがかなり評判。特にドラマ「ラブホの上野さん」は話題を生み、続編も公開されています。
auビデオパスの場合、せっかくテレビ朝日というバックボーンがあるにも関わらず、auビデオパス限定の配信コンテンツや、独自制作の番組というのが少ない印象です。
NetflixにしろAmazonプライムビデオにしろ、今のVODは「オリジナルコンテンツ」が非常に注目・差別化のポイントとなっています。
多くのVODでは、他社と「動画かぶり」が起こってしまいます。すると月額料金が安いVODに登録したほうが絶対的にお得になりますから、オリジナルコンテンツというのは非常に重要なのです。
「FODプレミアムに登録しないと見られない」、そしてその動画を「見たい」と思える動機になるものが揃っています。
他社でいい例となっているのが、Amazonプライムビデオにおける「ドキュメンタル(松本人志)」や、Netflixの「火花(又吉直樹原作)」などでしょう。
また動画以外の付帯サービスで意外とおすすめしたいのが、最新雑誌100冊が見放題となる「FODマガジン」です。定額料金内で利用できます。
一度スマートフォンで開いた雑誌は自動でダウンロードされるため、オフラインでも楽しめる万能さ。また新しい雑誌が更新されると自動で端末から削除されるため、メモリも圧迫しません。
動画を見るほどのまとまった時間は無く、微妙な数分のスキマ時間によく利用しています。
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auビデオパスとFODプレミアムの比較まとめ
私は両方のVODに登録していますが、利用頻度で言うと
【auビデオパス3:FODプレミアム7】くらいです。
利用用途としては、
auビデオパス:テレビ朝日系の見逃し配信
FOD:フジテレビ系の見逃し配信、FODオリジナル、FODマガジン
auビデオパスは他社にあまりない「お笑いライブ」の動画や、ドラマの見逃し配信など利用する機会はあります。また動画のダウンロードもできるため、実は利便性が高いVODです。
しかし、FODプレミアムとの比較においては、「フジテレビ限定」ということがありながらも、なんだかんだFODプレミアムを起動させる機会が多いように感じます。それは説明してきたような、FODオリジナルであったり、FODマガジンが主。
どちらにしろ、両者はいわゆる「マイナー」なVODであり、また他社と「動画かぶり」しにくいコンテンツを扱っているため、AmazonプライムビデオやHuluとの複数登録の対象(セカンドVOD)としてもおすすめです。